手渡されたケアプランを、領収書のようにチラ見だけして破棄していませんか?
そもそもケアプランって何? から、確認するポイントなど、わかりやすくご紹介します。
ケアプランって何?
簡単にいうと、「介護の計画書」です。一人ひとりにあわせて、どんな介護サービスを組み合わせるか。どうすればより良い生活を送れるか、目標も設定してあります。
なぜ必要か、なぜややこしいか
税金を使うサービスだからです。「要介護」「要支援」の認定を受けると、介護保険を使ったサービスが受けられます。つまり、リハビリなどが安くなるわけです。
リハビリだけでなく、福祉用具のレンタルや、訪問型のサービスなど幅広いサービスが割安で提供されます。安くなる分は「税金」ですから、無計画ではなくキチンと計画に沿ってください、というお役所の事情があるわけです。
一般的には、ケアマネジャーさんが無料で作ってくれます。
ケアプランは3種類
「介護予防サービス計画」「居宅サービス計画」「施設サービス計画」の3種類があります。
まず、「要介護度の認定」が第一関門です。少しややこしい話ですが、度合が低いものから順に、要支援1~2そして要介護1~5まであります。要介護5がマックスです。
これらの度合は、市区町村の調査で認定されます。度合によってケアプランも変わってきます。低いものから順にご紹介します。
・介護予防サービス計画:対象は要支援1~2と介護度が一番低く、介護を必要としていない予防的なケアの計画です。(このケアプランだけは、地域包括ケアセンターが作成してくれます)
・居宅サービス計画:対象は要介護1~5の方。自宅にいながらサービスを受ける人です。具体的には、自宅で受ける訪問介護やデイサービスなどがあります。
・施設サービス計画:対象は原則として要介護3~5の方(要介護1~2も可)。特別養護老人ホームや介護老人保健の施設でサービスを受けるプランです。
(ここからは、ケアマネジャーに依頼する「居宅サービス計画」「施設サービス計画」に絞って見ていきます)
毎月のケアプランを確認するポイント
確認するポイントはズバリ、「今、何に困っているか」を伝えることです。専門用語を使う必要はありません。これからどんな生活がしたいか。
言いにくい話かもしれませんが、ケアマネジャーさんは経済的な事情も考慮してくれます。恥ずかしいなんてことはありません。言いにくいなら、ケアマネジャーさんを交代してもらいましょう。
理想形は?
トラブルが発生したとき、まずその場で個別に相談します。例えば理学療法士さんや作業療法士さんに具体的な相談をして、手配するものがあるならケアマネジャーさんに連絡するよう依頼しておきます。仕事を増やして悪いなど、遠慮する必要はありません。
後日、ケアマネジャーさんが持ってきてくれたケアプランをみて、頼んでおいた変更点のチェックをするわけです。
できれば、本人も参加して、ケアプランの立案から確認をして、理解してもらうとより効果的です。(一種のリハビリにもなります)
ケアプランのもとをイメージする
原案を考えるポイントは3点あります。
その1、不安を解消するためのサービスか。こちらが不安に思っていることをカバーしてくれる具体的なサービスを用意してもらいます。
その2、金額に無理はないか。状態が変化したとき、すぐに変更できるように、金銭に余裕をもって計画するのがおススメです。
その3、生活のリズムが崩れないか。本人や家族の生活リズムを最優先にします。サービスを入れて問題ない時間をさがします。介護は長期戦です。無理をしては続きません。
ケアプランは自作できますが…
プライバシーを守りたい、踏み込んできてほしくない。ケアプランは自分で作ってしまうこともできます。
しかし、作業は大変です。市区町村の介護保険課でケアプランの届出から、毎月利用実績の提出などの作業があります。
大変なのは一度だけと考えてませんか? 甘いです。実際にサービスを始めてみると、回数や時間、曜日の変更など問題が出てきます。
介護は一人で行うものではありません。サービスしてくれる専門家たちによるチームワークが重要です。ですから、納得できるケアプランを作るには、専門家に相談するのがおススメです。
よりよい介護を目指すなら、要になるのはケアマネジャーさんの仕事です。チームにストレスを感じる人がいるなら、交代したもらいましょう。我慢はストレスの元です。
問題があったときには、早急に対処してくれる人に交代してもらうことも選択肢の一つです。
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