リハビリをするとき、「作業療法士」や「理学療法士」のお世話になります。ですがその違い、わかりますか? トレーニングは漠然とやるのではなく、理解して動かすと、結果が変わってくるらしいですよ。
あのイチローも「自分で無意識にやっていることを、もっと意識をしなければならない。」と語っていました。
毎日のリハビリも意識してやってみませんか。似ているようでちがう、仕事内容について、分かりやすくご紹介します。
超・簡単にいうと
日常生活や、社会に出たときのリハビリが「作業療法士」、
運動機能の回復や、歩く練習などが「理学療法士」です。ざっくり言いました。
どちらがより専門性が高い、などの違いはありません。どちらも大事です。では、詳しくみていきましょう。
作業療法士は「生きがい」をサポート
日常生活で困る動きを訓練してくれます。自分の指を動かし、着替えて、お風呂に入ったり、食事をする。つまり、生活を送る上で必要な機能回復をサポートしてくれます。
趣味の絵を描いたり、編み物したり、ちょっとした家事もリハビリのツールになるんだとか。できることが増えると、心も元気になりそうですよね。
訓練だけでなく、社会に参加するための具体的な方法、精神面でもサポートしてくれます。
作業療法士は、「Occupational Therapist」。略して「OT」と呼ばれることもあります。
実際、作業療法って何するの?
手先を動かす手工芸は、趣味でやったことのある人も多いはず。なんだ遊びか、など侮るなかれ。手工芸は複雑な関節の動きに、絶妙な力加減も求められるのです。ただ遊んでいるのではありません。
塗り絵や編み物といった段階的な課題を用意して、飽きずにリハビリできるように工夫してくれます。楽しみながらリハビリを続けることで、動きの幅も増えていきます。
介護をする側は、ちょっとした動作の支えであっても、疲労が蓄積します。少しでも、本人が自立することは、家族全員の健康にもよいのです。
理学療法士は「機能回復」をサポート
寝たきり状態の人が起き上がるには、筋肉のリハビリが必要です。「座る」という簡単そうな行為も、リハビリなしでは難しいことがあります。実は「寝返り」さえも、筋肉が回復しないとできません。
理学療法士は、起きる、座る、立つ、歩くといった身体の基本的な機能回復をサポートしてくれます。
自分の力で、動ける範囲を広くするための運動療法や物理療法などをサポートしてくれるわけです。筋力を低下させないための予防的なリハビリもしてくれます。
理学療法士は、「Physical Therapist」。略して「PT」と呼ばれることもあります。
理学療法士の現場
理学療法士は高齢者のリハビリだけでなく、スポーツ分野での活動もあります。選手が怪我をした場合、復帰を目指したトレーナーになるのです。
高齢者のリハビリでも、医学的な情報から、どんな動きをすれば復帰できるのか。目標を設定、トレーニングする環境もアドバイスします。
温熱療法や電気療法など、物理療法のための装置も使います。また、福祉用具なども使い、普段使っているもので日常生活が送りやすいように指導してくれます。
共通するのは「前進」すること
最後にまたイチローの言葉から、
「ちいさいことを重ねることが、とんでもない所に行くただひとつの道」
座って着替えるとします。座る筋肉をつけるサポートは理学療法。座って着替えるための動きは作業療法でしょうか。この二つは一連の流れのなかにあります。どちらの動きも必要なのです。
たとえ完治しなくても、少しでも体の可動域を広げる。一つ一つできることを増やしていく。
誰もがイチローのようにはできません。辛い日も、投げ出してしまいたい日もあります。家族も、三歩進んで二歩下がるくらいの気持ちで、本人を見守るのがベストです。
リハビリは本人のためだけにするのではありません。座ることができるだけでも、介護者の負担は減ります。家族がダウンすることがないよう、福祉器具を便利に使うヒントも指導してくれます。
少しでも、小さなことでも続けているということは、目標の道を前進している証拠です。
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