ショートステイという選択肢

 今回ご紹介したいのは、「ショートステイ」です。介護は終わりの見えにくいもの。ショートステイは、休みながら健康的に介護を続けるための選択肢の一つです。

 デイケアから帰ると文句しか言わなかった高齢者が、ショートステイに行く日を楽しみだした、なんて実例もあります。

こんな時に

 介護の疲労は身体の奥へ蓄積されてしまいます。休養の取り方は重要な問題です。

 ショートステイは家を空ける冠婚葬祭などの用事があるときだけでなく、少し休みたいときにも効果的なサービスです。もちろん、急用にも対応してくれます。

 また、普段の利用はなくても、この選択肢を一つもっておくと、介護者の体調不良時などに重宝します。

「ショートステイ」ってどんなサービス?

 数日の間だけ、介護が必要な高齢者を専用の施設でお泊りしてもらうサービスです。短い期間(2、3日~1週間ていど)だけ施設に入ってもらいます。

 連続して利用する際は、30日以内と決められています。ややこしい話ですが、「介護認定期間の半数を超えてはいけない」というルールもあります。(詳しくはケアマネジャーさんに聞く方が早いかも)介護認定期間は、要介護認定の有効期間のこと。身体の状況によりサービス内容が変化するわけです。

 専門のスタッフが食事やお風呂、トイレの手伝いなどをしてくれます。リハビリやレクリエーションがあったり、個室や温泉がある施設もあります。ケアマネジャーさんに希望を言って探してもらうのがおススメです。

※要支援、要介護度の認定を受けた方が対象です

※4日以上連続で利用する場合は、ケアプランが必要になります

メリット

 なんと言っても、介護者は負担の軽減になります。ストレスを減らすことは、介護をする側だけでなく、される側からしても大切なことです。

 ショートステイ専門の施設もありますが、老人ホームにくっついている場合もあります。将来的に施設を長く利用するなら、その予行演習になります。

 施設を「姥捨て山」のように感じる方もいらっしゃるはずです。複数箇所でショートステイを体験すると、結果として自分にあった施設を探せます。暗い人ばかりが集まっている先入観があるかもしれませんが、そんな施設ばかりではありません。

 また、専門家や経験者の意見を聞くチャンスが広がります。介護は、その地域ならではの口コミ情報があるはず。ケアマネージャーさん以外からの情報も入るようにしておくと便利です。

デメリット

 急用に対応してくれるのですが、実際は予約が取りにくい時期があります。

 また、長年住み慣れた自宅とは環境が異なります。不安な気持ちになったり、友人関係などのストレスを感じることもあります。最悪の場合、認知症の症状が進行することもあるようです。

お値段

 費用は、施設によっても、介護度によっても異なります。また、お部屋の大きさでも変わってきます。

 介護度が高いと、値段は上がります。当然ですが、大部屋(多床室)よりも個室は高価です。

 しかし、介護保険が使えますので、料金は9割引きです。

利用のポイント

 嫌がる高齢者を無理やり泊まらせることは、もちろんNGです。

 ショートステイは、泊まってみたら意外と楽しかった、という感想が多いそうです(逆もあります)。下見をするのがおススメです。実際の雰囲気は行ってみないと分かりません。

 見学は、お昼時にいくと、食事の風景や、スタッフと利用者の会話、トイレの状態などをチェックできます。

 「見学させてほしい」といってみてください。違うなと感じたら行かなければいいのです。きっとあなたにピッタリの施設が見つかるはずです。

 思い切って、実際に一泊してみると、介護がもっと楽しく(らくに)なるかもしれません。

福祉建築士 入江美津子

あなたに寄りそった家をつくりませんか。 弊社は特殊な事情をお持ちの方に好評をいただいております。それは、福祉建築士の視点があるから。 町医者みたいな建築士です。

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